2008年9月28日日曜日

Alaska ZOO


きょうは予定を変更してアラスカ動物園へ。
やはり興味を引かれたのはオオカミ。二時間くらいだろうか、彼らの動きを観察していた。観察と言ってもただ好きで見ていただけで何か目的を持った事はしなかった。
柵の中には4頭が確認できた。オスとメスとの区別はできなかった。長い間見ていると気づくもので、ここにはワイルドライフは無いなとわかった。中にいるのはオオカミという飼い犬たち。その4頭を見ていても順位の違いが見えない。僕は野生のオオカミの群れを見た事が無いので確かな事は言えないが、勘でわかる。本で読んだ順位制のあるオオカミの行動でも、DVDで見たじゃれ合いの仕方でもどちらでも無い。たぶん、飼育員がオオカミ社会で言うアルファ個体(順位制の中のトップ個体のこと)になっているんだろうと推測した。動物園で本当の野生を演出する事はやはり不可能なのだろうか。(本当の野生を演出する、という言葉自体おかしいけれど)各動物種の一部の行動は再現できるだろうが、全容までは中型以上のほ乳類において不可能なのかもしれない。ある程度の、とは言ってもかなりの広範囲を要するが、広い土地があれば、それは可能なのだろうか。また、何もせずに生きていける環境では緩い表情しか生まれない。嫌いではないが、これを撮り続けることは自分にとってあまり意味が無い。と、あれこれ考えながら、でも時間はあっという間に過ぎてしまった。やっぱり自分は犬系は好きだなと振り返った。

2008年9月27日土曜日

授業 宿題 撮影

今学期、アドバイザーの判断により、ESL (English as a Second Language) のクラスを取って次の学期からアートクラスを始めなさいと言われた。嫌だと言った。
何回かのやり取りの後に、お互いの妥協点を見つけて、 ESL を3クラス、アートクラスを2クラス取る事に決着した。授業が始まって三週間たった今振り返ると、ESL のクラスを取っておいてよかったと感じる。正直、絵画クラスでの教授の言っている事はほとんどわからない。聞き取りやすい先生とそうでない先生がいるのは前から知っていたけれど、これほどとは思わなかった。また、 ESL ではアラスカについての事や、それぞれの文化の違いに付いて議題となる事がほとんどなので、この土地を知る上でもためになる。
また、アートクラスをとれて本当に良かった。英語を勉強するためにここに来たわけではないし、芸術、特に写真について体系的に学びたいという思いがあったため、今学期アートクラスをとれずに終わるという事は許せなかった。
宿題や、アートクラスの課題を毎週こなしていくのはなかなか大変ではあるけれど、自分でくんだカリキュラムなので言い訳の余地はない。
はやくこの流れに慣れて、休日の撮影時間を増やしたいと思う。

2008年9月22日月曜日

Eagle River

アラスカに来て初めての撮影行。とはいっても、5時間くらいの空いた時間での外出だったのでロケーションハンティングと言った方が適切だろう。

イーグルリバーまでは、アンカレッジから市内循環のバスで30分。アンカレッジの町を出ると空き地の多い住宅街が少し続き、そこを離れるととたんに景観が変わる。今のこの時期、南東アラスカは紅葉の季節。例えるなら、日本の桜のように儚い。つい2、3日前まで緑色だった木々が、黄色に変わり、落葉し始めている。日本での紅葉を意識していたので比較できるが、こちらの紅葉はかなりのスピードでの移り変わりだと思う。ちなみに紅葉は、気温の低下に伴って植物が生理反応を起こし、アントシアニンが作られる事によって変色する。加えて、あまり知られていない黄葉という現象があるが、これは葉緑体が落葉する前に分解され、緑色が消えることを指す。この紅葉と黄葉が、木の種類やその一本一本に差を生じさせて起こり、景観として一様でないきれいなグラデーションが現れる。この時期のために日本からアラスカに来る人はいないだろうが、北海道の定山渓とはスケールが違う。

そんな景色を楽しみながらバスを降り、歩きながら撮影を始めた。

少し町を離れ、川沿いを歩くと、人が作ったのか獣が作ったのかはっきりしない道がたくさん出てくる。いくつにも枝分かれしているし、ムースの蹄の足跡もかなりはっきり残っていたりするので、歩いているだけで緊張感が増す。
このイーグルリバーという小さい町はトレッキングのスタート地点が複数ある。冬になる前にこのトレッキングコースをできるだけ歩きたいと考えている。今回は写真の授業ででた宿題としての撮影と、町調べ、トレッキング開始地点を確認するにとどめた。来週準備をして歩きたいと思う。

2008年9月5日金曜日

Beginning photography

撮影について、自分が今まで如何にテキトウに撮っていたかを思い知らされた。

現在、Beginning Photography というクラスでフィルムカメラを使った初歩的な写真撮影全般について学んでいる。写真用語などある程度知っているため、何について、どんな事を話しているのか聞き取る事は、他のレクチャーに比べたら簡単だが、宿題の詳細や扱った事のないテクニックについての話になるとさっぱりわからなかったりする。そんななかで、自分が今までデジタルカメラを使ってどれだけ簡単に、しかも適正露出を得る事なく未完成のまま撮影を終えていたかということが、今回の講義で思い知らされた。

撮影でオールマニュアルカメラの場合露出の補正が固定できない。その中で、静物を撮るときに反射率18%のグレーカードを使う。ある程度動きのあるものでも、シャッター半押しで、一度グレーカードを読み取って半押しを維持しフォーカスと構図を決めれば使用できる。グレーカードの使用はもちろんこの限りではない。現在のマニュアルカメラには測光システムがカメラ内部についていて、シャッターを半押ししたときに測光され、自動的に反射率18%に合わせようとする。(例えば最白を反射率100%、最大黒を0%としたとき18%は白寄りのグレーということになるが、すべてのカメラの測光システムがこのようにできているという。)したがって、雪原を画面いっぱいにしてそのまま撮ると18%に勝手に近づけてしまうので灰色っぽく全体の写真が落ちる。逆に真っ黒の犬なんかをモデルに撮ると、その犬がやや灰色っぽくなる。これでは「見たまま」を撮る事はできない。そこで露出補正ダイヤルか、きちんとグレーカードを使うという事になる。可視できる波長に制限はあるものの人間の目は万能で、反射率に関わらず、白は白、黒は黒と網膜を通して脳が見分ける。カメラにはこれができない。だから人間が露出を補正する事になる。人間が、表現したいように。
僕はこの白と黒の関係は以前から理解していた。しかし、すべてのカメラが、測光してから反射率18%に合わせようとする事や、手動で行う適正露出の得かたを知らなかった。すべてカメラ任せだった。もちろんマニュアルで撮った写真をネガ現像したとき、はじめのワンロール36枚のうち、2枚しか適正露出が得られていなかった。加えて、もうワンロールはフィルム巻き上げの際、途中でカバーを空けてしまい、全て感光してお陀仏。このミスは無いにしても、写真撮影の難しさが少しわかった気がした。そしてなにより、今自分が持っているデジタル一眼のNikonD300がいかに優れている機械なのかが少しずつわかってきている。