2009年9月21日月曜日

Eye level






カメラで動物を撮るときのセオリーとされているアイレベル。もちろん動物だけではなく、ポートレイトで対象を撮る時の基本とされている。僕としては目線を対象の高さにあわせることで、対象となる動物の世界に鑑賞者を引き込む効果がある、と考えている。
学校の先生に頼まれて先生の赤ちゃんを撮影。先生には悪かったけれど、動物を撮るような感覚で赤ちゃんを撮影してみた。






人、といってもここでは赤ちゃんだけれど、人を撮影するときに動物を撮るときと同じ感覚で撮ったことは今までなかったのだが、一つ違いに気がついた。同じような感覚で臨んだものの、明らかに動物を撮るときと比べて自分自身が落ち着いて撮影していた。赤ちゃん相手なので落ち着けて当たり前なのかもしれないが、自分は動物を撮る時、人を撮るときに比べて気を張りすぎていた。そのことが今一歩、撮りたい動物に近寄れない、近づいても逃げられてしまう原因だったのかもしれない。






2009年9月10日木曜日

Eagle River -part 3-



Eagle River





Exhausted Salmon



Crow Pass Trail



Mushroom



Red Squirrel


den of some sort...



Light falling onto bush




アンカレッジからバスで30分の町、イーグルリバーから自転車で1時間、チュガッチ山脈の入り口あたりにはたくさんのトレイルがある。9月初め、紅葉が始まった。これが10月の半ばにはすっかり冬景色にかわってしまう。去年行った場所よりも深く山のほうへ入っていくことができたので、いろんな秋の景色を撮ることができた。秋から冬への移り変わりもこんど撮りに出かけてみよう。






2009年9月1日火曜日

Bull Moose


雄同士の対峙

8月30日午後20時、アンカレッジパワーライントレイル。このとき、あたりには雄のムース5頭と雌のムース2頭がいた。じっと撮影しながら観察していたが、雄同士お互い見合うだけで威嚇するような段階にはまだ入っていなかった。
ほとんどの雄の角にまだベルベットと呼ばれる表皮が破れてぶら下がっており、ムース自身は非常にかゆいらしく、頻繁に木に角をこすりつけていた。



自分の角を枝にこすりつける


角の大きさに違いがあれど、すべての雄が自分の角に磨きをかけているようにも見えた。
ここアンカレッジ周辺でも雄同士の決闘がみられるのだろうか。秋が深まる頃また訪れてみようと思った。




2009年8月26日水曜日

撮影 宿題 授業


2年目の秋学期がスタートした。

今期、写真のクラスは Advanced Photography と Color Photography を受講する。

Advanced Photography のクラスでは写真家としてのスタートを切るための授業内容になっている。これまでのクラスのように、一つのアサインメントに対して数枚の写真を創っていくのとは異なり、自分ではじめにポートフォリオ(作品集)の構想を練り、それに沿ったアサインメントを自分で決めて撮影プリントし、作品を制作していく。主に教授はそのポートフォリオの制作とプレゼンテーションの仕方に関わり、撮影の技術的なことに関しては口を出さない。
 こちら米国では、ポートフォリオがそのアーティストのビジネスを左右すると言われているほど重要視されている。そのような伝統からか、印象としてはこの授業まるごと、ひとつの作品集づくりのための授業に構成されているような感じを受ける。


Color Photography の授業では、昨年までのフィルムでのカラー写真から完全デジタルに移行し、薬品を使った現像/焼きのレクチャーをいっさいせずに、光の読み方とそれによって現れる色についての講義とデジタルワークフローに焦点が当てられている。個人的にはケミカルワークフローを学ぶよりも、色の関係性や効果的な色の画面配置などを学びたかったので、好ましい方にカリキュラムが移行された。







Denali 総括



Denali National Park


先週デナリから戻り、遭遇した動物をまとめてみた。



:ムース :カリブー :ドールシープ
:ブラウンベア :齧歯類(ジリス除く)
:リンクス :猛禽類 :オオカミ


総滞在日数:15日間(うち、晴天:9日、曇り:2日、雨天:4日)

行動時間詳細(パークロード:45時間、ツンドラ:15時間、タイガ:10時間、山岳:25時間、河川:35時間、ブッシュ:5時間、キャンプサイト:30時間、パークエントランス:40時間、睡眠:130時間)



Curious Bear

終わってみれば、熊にはいちばん数多く遭遇した。自分の歩いたところが熊の行動ルートだったからなのか。そのあたりは定かではないけれど、パーク内に1000個体以上いるムースやカリブーよりも多くみたということは自分の行動に何か特徴があったか、熊がパークウェイ沿いをよく歩くかどちらかだろう。


オオカミの巣は結局見つけることができなかった。この新しい足跡とほかに糞が多くある場所まではきていた。しかし、仔が育つ秋に近づくにつれオオカミは巣穴を離れていくため、8月下旬にオオカミを撮影するため巣穴を探索することは正しい方法ではなかったのかもしれない。


オオカミ撮影は来年に持ち越された。





2009年8月15日土曜日

Flattop mountain





 天気がよかったので、冬に登ったフラットトップに違った景色を求めてまた登った。今回は頂上まで登ることができた。雪が全くないことが、以前登った山とは思えない景観を現していた。
この山だけに限らず、アンカレッジやその他のアラスカの夏を過ごしてみて、一度行ったからといってその場所を知っているとは言えないと改めて思った。同じ場所なのに季節によってまったく違う表情をみせるこのような町で、今まで過ごしたことがないせいか、同じ場所に立っている感覚がない。
頂上から眺めていて、去年見逃した秋に、多くの場所に出かけたいと思った。

2009年8月11日火曜日

Eternal recurrence




いつの頃からだったか定かではないけれど、小さい頃、過去と未来についての想像を膨らましたときに、おぼろげながらひとつの考えが浮かび、それを26歳の今でも引き続いて所持していた。その考えとは、人でも動物でも皆、生まれ変わったとしてもまた同じ自分で、全く同じ人生を歩むんじゃないかという何の根拠もない仮説のようなもの。幼かったので論理立てて明確に考えられた訳ではないけれど、たしかにそれを考えていた。そして人に話すようなことでもなくしまわれていた。
そして偶然、先日それが永劫回帰という言葉で先人が論じているのを知って、非常に驚いた。読んでいると当時思い起こした概念と全く同じ。どこかで見たか、誰かから聞いたことをそのまま覚えているのではないかと、自分の過去の記憶を疑った。しかし、ニーチェの本など過去に読んだ記憶はなければ、こんな話しを真剣に子供に話す人もいないだろう。
小さい頃の何でもない考えが、自分の世界観を作っているのだと思うことがたまにある。何の根拠もないところから自然に生まれてくるからこそ、信じてみたくなるのかもしれない。