興味深い記事を読んだ。
2009年と、5年も前の、見過ごした記事だ。
「複数の種の生息域が重なる場所では、生息域が重ならない場所とくらべ、同種のオスと違う種のオスを見分ける能力が高まります」とGrether教授。研
究者たちは1種のイトトンボしか生息しない地域で、その種のオスの羽をほかの種のイトトンボに似せて着色し、この説を検証しました。「イトトンボのオス
は、別のオスの個体が自分と同じ種どうかを色によって識別し、この識別は複数の種が共存する地域で行われ、1種のみが生息する地域ではほとんど行われない
ことがわかりました。これは、色による種の識別能力がほかの種と闘うことによる淘汰の結果として発生したことを強く示唆しています」
http://www.sciencedaily.com/releases/2009/11/091102112104.htm
アラスカのエトピリカは、そういうことなのだろうか。。。
たしかに夏の間だけ、何百万といる海鳥の生息域の中で、求愛し、子育てをする。その時期だけ、とてもビビッドなくちばしとなり、冬は地味な色に戻る。
アラスカの動物は、基本的に、みんな地味な衣装を着ている。
上の記事からすれば、これは、土地があまりにも広いため、生息域が重ならないからなのだろう。
そうみていくと、ハクトウワシは、繁殖できるほどに成長したときに、頭と尾が白くなるのである。これは、生息域が重なる、体すべてが茶色いイヌワシとの差別化なのか。。。
これから、この視点も取り入れて、動物たちをみてみようとおもった。
2013年3月5日火曜日
夏の計画について - Chase the woleves Part 8 -
久しぶりの投稿になる。
先月は、ブログの記事を書く暇もないほど忙しく動き回っていた。
冬のオーロラツアーシーズンを早い段階で切り上げ、今月から夏の準備に取りかかる。
今季は、前年度からお金を貯めて計画を少しずつ進めていた、ウェールズ島での撮影へ入る。おそらく、僕の見たい生態のシーンを写真で収めるには、3週間は必要になるだろう。
この広大な雨林帯の島は、カナダの東海岸沿いにある南東アラスカといわれる地域にある。瀬戸内海を思わせるインサイドバッセージ(内海の通路)にあり、穏やかな海流がとおる島内は、とてもシンプルな生態で成り立っている。
まず、植物はアラスカ檜がほとんどを占め、古い森には栂(ツガ)の木がまばらに生える。地面はコケに覆われた、太古の時代を思わせる風景だ。数本の川には毎年サケが遡上してくるところがあり、上流の湖に近いところでは、ビーバーが棲息する。夏の間、この島の内陸に行けば、低地を嫌うようにしてシトカオグロジカが丘の上で草を食む。天敵からすぐに逃げられるため、見通しのきく高台が生活の拠点となるのだ。そしてこの天敵というのが、今回の撮影行で必ず見たいアレキサンダー諸島のオオカミである。この比較的小柄なオオカミが、オグロジカに支えられて250頭ほど、この四国の半分くらいの島に生息しているのである。この個体群はタイリクオオカミから分岐した亜種のオオカミ(Canis lupus ligoni)である。
2012年10月8日月曜日
ヘラジカ −Alcs alcs gigas−
アラスカならどこにでもいるヘラジカ。このヘラジカのどこででも見れる姿に興味はない。どこにでもいるくせに、そう簡単に現さない行動を、この目で確かめたかった。それは、ヘラジカがどのような動物なのかを、僕に教えてくれる。
![]() |
| フレーメン行動 |
夏まで蓄えたエネルギーを、秋の時期に消費し、冬前に大幅に自分の体重を減らしてしまうオスは、春まで生きるということが最優先なのではない。秋の時期に、子孫を残せるかどうかということが、最優先になる。
※フレーメン行動は、メスの尿の臭いをかいで、メスの状態を探るための行動。とされている。
![]() |
| メスの行動を凝視する |
9月から11月初旬までに、メスは「交尾できますよ」というサインを3回ほど周囲のオスに送る。周囲のオスは、もちろんこのサインを逃さない。力が拮抗するオスが近くにいれば、戦って決着をつける。
どの動物においても、植物までもそうであるけれど、地球上すべての生物が、「次の命へつなぐ」ということをする。
このことために、一瞬のこの時期に、立派な角までそのために付けて、全身全霊をかけるヘラジカを、ぼくはより好きになった。
2012年10月6日土曜日
プリンスウィリアム湾 −海の動物−
アラスカも8月になると、気温は上昇し、暖かいところでは25度を上回る。
しかし、海水温は夏でも上がらない。それは雪解け水と、氷河が溶けた水が、夏の間中ずっと流れ込むからだ。
![]() |
| 母親(後方)と同じくらいの大きさになった、ラッコの子(手前) |
水温5度にもならないアラスカの海で、ラッコは気持ち良さそうに泳いでいる。
ラッコは、海洋性哺乳類の中でも珍しく、厚い皮下脂肪を持たない。 油分を多く含む毛の構造が、水の浸透を防ぎ、ラッコに浮力を与えている。
![]() |
| 氷河の末端付近に集まるアザラシとラッコの群れ |
![]() |
| 氷塊の上で羽を休めるカモメ |
![]() |
| 氷上で休息するラッコ |
ラッコは、雄と雌のグループに分かれて群れを作り、一定の範囲で行動をともにする。
眠るときに、海の流れに流されてしまわないように、海藻に絡まって寝たり、仲間同士で手をつないで眠ると言うから、一度はそんな姿を見てみたいと思う。
2012年7月14日土曜日
Moose calf その毛色について
この母親と仔の、毛色の違いは何だろうと考えていた。
ヘラジカの仔は、必ず生後2ヶ月くらいまで薄茶色の毛をしていて、
母親のそれと区別できる。
この仔は、背中の毛がもう生え変わろうとしている。
当たり前だが、2週間前はもっと背が低かった。
このあたりの森を歩いていると、自然に朽ちて折れた木々が目にとまる。
それで僕の中で、ひとつの答えが出た。
その折れた木々は、背が低くて薄茶色をしている。
ふと、遠くにあるこれらの木々を目にすると、
その隣にヘラジカの仔か。でも動いていない。
それでやっと木だとわかる。
生きている木々で、この薄茶色をした背の高い木々はない。
みんな折れたばかりが特に、明るい肌色に近い茶色をしている。
仔の茶色の毛色は、ちゃんと周囲の景色にとけ込む保護色の役割を果たしているのだ。
そういう自然の仕組みなのだと、とりあえず理解しておこうと思う。
真っ黒な服装の僕を、母親と勘違いして一時ついてきた。
ところが母親が意外に無関心なのが、この森のヘラジカの特徴だ。
2012年6月25日月曜日
夏の子育て
アラスカの夏は、渡り鳥の子育ての場となっている。
アンカレッジの町からすぐの湖沼地帯に、午前6時ごろ足を運んだ。
日曜日の朝は、人がほとんどいないということを鳥たちも知っているようだ。
人の歩く道のそばまで来ている。
子に餌を与えている親鳥。
このポッターマッシュという湖沼地帯で、カナダヅルを初めて見かけた。
6月から7月よく見かける種には、極アジサシ、カナダガン、コキアシシギ、Violet green swallow(日本不明) など。
足しげく通っている人からすれば、20種くらい挙げるのではないだろうか。
2011年10月3日月曜日
グラントカリブー
これは僕がデナリ国立公園のワンダーレイク滞在中に見つけたカリブー。もう一頭仲間がついて来ていて2頭で行動中だった。世界中には色んな種類のカリブーがいるが、これはグラントカリブーというカリブーの仲間。デナリではたびたびカリブーを見かけていたが、追いかけたことはなかった。今回はできるだけ気付かれないように後を追ったが、彼らは林を抜けて川縁にさしかかったときにとくに神経質だった。耳をピンと立てて周りを常に気にしながら歩き、ときに立ち止まり後ろを振り返ったりあたりをキョロキョロした。そのあと僕の存在に気付き一目散に反対方向に走っていったが、川の対岸にあるスプルースの森に近づいたところで落ち着いた。カリブーは森の中へ入っていく者ではないと思っていたが、このときカリブーもやはり逃げるときは森を使うのだと気付いた。
2011年9月24日土曜日
ハクトウワシ
アラスカの夏は太陽の光が一日中ふりそそぎ、植物から動物まで、生き物のサイクルが急進する時期。植物であればこの時期の100日間しか成長することはできず、動物であれば外界の場合この時期に子育てをするケースが多い。町から少し外に出てどこかに腰をかけていれば30分もしないうちに自然が大忙しで、この時機を逃さんとばかりに動いていることが見て取れる。
場所はアンカレッジから車で南に2時間半のスワードという港町。中央アラスカでいえば最南端の漁業で有名な町。日本からの暖流が流れてることもあり、アラスカにしては比較的暖かい地域でもある。ここに5月中旬から沿岸部を中心に松の木に営巣しているハクトウワシを見ることができる。この時期に限らず年間を通してこの地域にいる定住性のハクトウワシもいれば、冬の間餌を求めて南東アラスカまで移動する移住性のものもいる。
6月19日
はっきりとした灰色の和毛のヒナ。卵からかえって2週間たたないくらい。3羽は母親が健康であり、巣も十分な大きさであるという証拠でもある。このころの親の緊張感がピークだったように思う。また30分に一度は巣へ餌を持ち帰り、子どもたちはそれを驚く程の食欲で体に取り込んでいった。
7月20日
子どもが大きくなればなるほど頻繁に餌を巣に持ち込まなくてはならず、両親ともに交互に狩りに出かけるとはいえ、巣を空ける時間は長くなる。子どもたちは自ら巣立ちを早めようと自分の産毛をちぎり取り、風が吹けば羽ばたきの練習を繰り返す。3羽とも均等に成長していったのは親の狩りの熟練度が高いこと、また子育ての経験が豊富であることのあらわれである。それに限らず、今年は少し時期が遅れたものの例年より多くのサーモンが遡上して来たことから、海からとれるエサの量も十分であったに違いない。
2011年9月23日金曜日
ハヤブサ
![]() |
| Peregrine falcon breeding |
そんな忙しい母親の邪魔はしたくなかったので、極力刺激を与えないようゆっくり動き、地味な服装で近づいた。巣のあった場所は川の流れで削り取られてできた崖。
写真はちょうど夏至の頃、おそらくこの子どもたちは生後1ヶ月たたないくらいだろうか。5月末頃に生まれたことになる。
ここで面白かったのは、母親がすでに子どもたちを自立させようという教育のステージに入っていたこと。写真はちょうど餌を与えているシーンだが、実はこのころ母親はすぐには餌を与えていない。というのは、一度、餌のネズミを巣に持ち帰るや、それをすぐに持ち去ってしまう。そして巣から50メートル程のところに降り立ち、しばらく子どもたちの様子を窺っているのだ。子どもたちはというと、母親が巣から離れると、すぐに鳴きだし、その直後に羽ばたきのしぐさをする。
明らかにまだ和毛で子どもたちは飛べるはずもないことを母親は恐らく知っているに違いない。少しでも早く飛べるようになることがこの自然で生きていくための条件となることを教えているようだった。
2011年7月25日月曜日
Kenai Fjord Tour
一昨年の6月にタダでいったツアーに、また参加できた。今回はガイドの仕事のエディケーションということで乗り合わせた。前回見ることができなかったシーンに焦点を合わせ、撮影に集中。
キーナイフィヨルド国立公園には2種類のパフィン(ツノメドリ)がいてそのうちの一種。どの鳥もこの時期はアラスカを繁殖地として渡ってくる。写真は夫婦?だといいけど、実際のところ雌雄の判別は難しい。。。というより自分の目では正直判別は不可能。
おなじみのラッコ。アラスカの海洋ほ乳類のなかでは一番小さくて、リスの仲間であるげっ歯目のなかでは一番大きい。写真は、何を食べてるかわからないけど、2匹とも目をとじながら何かを一生懸命かじっている。彼らは寝るとき昆布にからまって寝るというかわいらしい特徴がある。もちろんこれは寝ている間に潮に流されてどっかに行ってしまわないため。
これは一昨年も撮影したトド。今回の方が近いところでケンカのシーンを見ることができた。ケンカと言っても雄の縄張りの確認をし合っている程度。
ジュノーでの撮影以来の座頭鯨(ザトウクジラ)。ちょうどランチタイムにお目にかかり、採餌行動を見ることができた。今回のアナウンスガイドで学んだのは、クジラが魚を追いかけて水面まで追いつめたとき、カモメが一目散に集まるので、彼らの動きに注目しておく方が、この採餌行動を写真に収められる可能性は高いということ。といっても一瞬の出来事なので難しいに越したことはなかった・・・。
![]() |
| Horned puffin |
![]() |
| Sea otter |
![]() |
| Sea lion |
![]() |
| Humpback whale |
2011年6月16日木曜日
白夜を渡る鳥
北極と南極を移動する鳥、極アジサシ。寒さに耐えなくてもいいようそれぞれの極が暖かい季節に移動する。いつも太陽に一番近いところにいてあまり夜を知らない鳥。
![]() | |
| 赤:夏の繁殖地 青:冬の集結地(夏の南半球) 出典:wiki |
![]() |
| 巣に近づけば体を大きく見せて威嚇 |
![]() |
| 卵を温めているもののために魚をとる |
彼らの行動を見ていて面白いことに気がついた。巣に近づくとそこで卵を温めているメスはもちろん僕に対して威嚇をしてきたけれど、彼女のその威嚇する声にあわせて周りを飛び回っていたものたちも応援に駆けつける。一対で子育てをするものだと思っていたが、そうではなく集団で行うのだろうか。そのとき僕は4羽にかこまれ鋭いくちばしでやられる手前だった。こんな行動をするのもカモメと営巣場がオーバーラップしていているからかもしれない。
![]() |
| 看板とともに「そんな近づかないでくれ」といってるようだ |
2011年6月10日金曜日
ワシの巣観察
アンカレッジから車で1.5時間のウッティアの町。
6月はハクトウワシが子育てに大忙しの季節になる。この鳥の大きな特徴は一度つがいを作ると死ぬまで離れることはなく、2羽で子育てをする点にある。
アメリカ本土のほうのものと比べてアラスカのハクトウワシは卵を産む時期が遅い。もちろんアラスカは気温が低いために子どもにとって厳しいというのが自然な理由だが、ほかにも、鮭をはじめ河口に多くの魚が集まる6月ということもハクトウワシが子育てを6月に合わせる理由もあるようだ。
この港町に入ってすぐの木の上につがいが2羽の子どもを育てていた。写真は左が母親、右が父親。
観察の方法は午前11時から午後5時までの6時間、どのような行動をするのか双眼鏡をつかって観察し、記録をした。巣にいる両親(雌雄)の行動に注目し、子どもの保護と給餌に特に焦点を当てた。
11:00 巣内には母親のみ。
11:50 母親は巣内に貯蓄?してある餌を子に与える。父親は餌の調達。
12:00 父親が巣の上の木に戻る。母親は巣から離れる。
12:05 父親が巣に戻り、給餌。
12:15 父親は巣の修復。
13:00 父親が巣から離れる。巣内には子ども2羽のみ。
13:50 母親が戻る。
14:15 母親が巣から離れる。巣内には子ども2羽のみ。
14:55 父親が戻る。
15:05 父親が巣から離れ、母親が同時に巣に戻る。巣の修復材料を持ち帰る。
15:20 母親が巣から離れる。巣内には子ども2羽のみ。
15:30 母親が巣に戻る。
16:15 父親が巣に戻り、餌を持ち帰る。両親とも巣内に。
16:20 父親が巣から離れる。
6月はハクトウワシが子育てに大忙しの季節になる。この鳥の大きな特徴は一度つがいを作ると死ぬまで離れることはなく、2羽で子育てをする点にある。
アメリカ本土のほうのものと比べてアラスカのハクトウワシは卵を産む時期が遅い。もちろんアラスカは気温が低いために子どもにとって厳しいというのが自然な理由だが、ほかにも、鮭をはじめ河口に多くの魚が集まる6月ということもハクトウワシが子育てを6月に合わせる理由もあるようだ。
この港町に入ってすぐの木の上につがいが2羽の子どもを育てていた。写真は左が母親、右が父親。
観察の方法は午前11時から午後5時までの6時間、どのような行動をするのか双眼鏡をつかって観察し、記録をした。巣にいる両親(雌雄)の行動に注目し、子どもの保護と給餌に特に焦点を当てた。
11:00 巣内には母親のみ。
11:50 母親は巣内に貯蓄?してある餌を子に与える。父親は餌の調達。
12:00 父親が巣の上の木に戻る。母親は巣から離れる。
12:05 父親が巣に戻り、給餌。
12:15 父親は巣の修復。
13:00 父親が巣から離れる。巣内には子ども2羽のみ。
13:50 母親が戻る。
14:15 母親が巣から離れる。巣内には子ども2羽のみ。
14:55 父親が戻る。
15:05 父親が巣から離れ、母親が同時に巣に戻る。巣の修復材料を持ち帰る。
15:20 母親が巣から離れる。巣内には子ども2羽のみ。
15:30 母親が巣に戻る。
16:15 父親が巣に戻り、餌を持ち帰る。両親とも巣内に。
16:20 父親が巣から離れる。
2011年2月12日土曜日
how to perch
スプルースの頂点に2羽(クリックで拡大)
2月、ハクトウワシの撮影に出かけた。
撮影しながら観察しているとハクトウワシの木のとまり方に特徴が見えた。彼らはスプルースの木が大好きでその木のできるだけ高いところで羽を休める。もしかするとこの木が三角形で高いところだと眺めがよく、気持ちがいいのかもしれない。
一本では支えられないと判断して、2本の枝を片足一本づつつかむ。
そのまま1本の枝を他方へたぐり寄せて束ね、安定を得る。
こちらの個体も(少しわかりづらいが)同じように2本の枝を右足で掴む。
ある程度太くしっかりした枝には落ち着いて留まることができる。
枝が斜めでも、太ければ留まれる。ちょっときつそう。
3年目から大人の羽が生え始める2歳くらいの若鶏。彼ら幼鳥はスプルース(エゾマツ)の先に留まるのを見たことがない。どちらかと言うと上の写真のようなカモフラージュとなる木にいるのを目にする。
いづれにしても、どの個体も留まる木自体は選んでいるようだ。基本的に木がピンとしたものには留まるが曲がりくねった不安定な方へは留まらない。ちゃんと見分けているのだろう。留まる木の下には彼らの糞が溜まり、その木の栄養分となる。木はより多くの鳥に留まってもらうよう、何か工夫しているのかもしれない。
登録:
投稿 (Atom)



















































