Peregrine falcon breeding |
そんな忙しい母親の邪魔はしたくなかったので、極力刺激を与えないようゆっくり動き、地味な服装で近づいた。巣のあった場所は川の流れで削り取られてできた崖。
写真はちょうど夏至の頃、おそらくこの子どもたちは生後1ヶ月たたないくらいだろうか。5月末頃に生まれたことになる。
ここで面白かったのは、母親がすでに子どもたちを自立させようという教育のステージに入っていたこと。写真はちょうど餌を与えているシーンだが、実はこのころ母親はすぐには餌を与えていない。というのは、一度、餌のネズミを巣に持ち帰るや、それをすぐに持ち去ってしまう。そして巣から50メートル程のところに降り立ち、しばらく子どもたちの様子を窺っているのだ。子どもたちはというと、母親が巣から離れると、すぐに鳴きだし、その直後に羽ばたきのしぐさをする。
明らかにまだ和毛で子どもたちは飛べるはずもないことを母親は恐らく知っているに違いない。少しでも早く飛べるようになることがこの自然で生きていくための条件となることを教えているようだった。
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