2014年6月19日木曜日

動物の、からだの色

興味深い記事を読んだ。
2009年と、5年も前の、見過ごした記事だ。


「複数の種の生息域が重なる場所では、生息域が重ならない場所とくらべ、同種のオスと違う種のオスを見分ける能力が高まります」とGrether教授。研 究者たちは1種のイトトンボしか生息しない地域で、その種のオスの羽をほかの種のイトトンボに似せて着色し、この説を検証しました。「イトトンボのオス は、別のオスの個体が自分と同じ種どうかを色によって識別し、この識別は複数の種が共存する地域で行われ、1種のみが生息する地域ではほとんど行われない ことがわかりました。これは、色による種の識別能力がほかの種と闘うことによる淘汰の結果として発生したことを強く示唆しています」

http://www.sciencedaily.com/releases/2009/11/091102112104.htm




アラスカのエトピリカは、そういうことなのだろうか。。。

たしかに夏の間だけ、何百万といる海鳥の生息域の中で、求愛し、子育てをする。その時期だけ、とてもビビッドなくちばしとなり、冬は地味な色に戻る。


アラスカの動物は、基本的に、みんな地味な衣装を着ている。

上の記事からすれば、これは、土地があまりにも広いため、生息域が重ならないからなのだろう。

そうみていくと、ハクトウワシは、繁殖できるほどに成長したときに、頭と尾が白くなるのである。これは、生息域が重なる、体すべてが茶色いイヌワシとの差別化なのか。。。

これから、この視点も取り入れて、動物たちをみてみようとおもった。





写真集の発行 その4


すべての写真のセレクト、データの作成、文章の推敲が終了した。
さきほどすべての原稿を送り終えた。

徹底的に考え、並べ、繰り返し読んだ。
これでミスと感じる部分があるのなら、それは自分の考えが、以降、変わったことを意味するだろう。

あとは編集の小野さんにゆだねるだけである。


2014年5月25日日曜日

写真集の発行 その3


印刷が決まって2週間、当初僕が想定していた60ページから、48ページに制限されたことで、写真の並びをどう持っていくべきか悩まされている。


建築家の隈研吾が、「制限こそ、創造性を生み出す」と言っていたことが頭に浮かぶ。12ページ削減することで、よりはっきりした主張になるよう、写真をまとめることについて積極的に考えた。


データ入稿まであと2週間を切った。

伝えるべきひとつの概念というのは、自分の中で定まっている。これを、よりわかりやすくはっきりとした形に、写真だけで伝わるもの。どこまで荒削りできるか。


2014年5月7日水曜日

写真集の発行 その2

4000部の印刷が決まった。

今回は僕の出資ではないので、写真の編集には、僕の意図を入れられるのか、ひとつ不安があった。しかし出資者の意向で、僕の考え通りの写真集に仕上げてもよいとの返事をいただけた。さすがにこれには感謝。

日本で印刷をするので、アンカレッジまでの送料や、日本での保管場所など解決しなければならない問題はある。でも、今回の写真集制作に全面的に加わり、その販売なども含めどのように扱っていくか。これに関われることは、貴重な体験と考えている。

予定では8月半ばに印刷が終了し、夏のツアーをはじめ、オンラインでも販売を開始する。

2014年4月19日土曜日

写真集の発行 その1

写真集を発行できるチャンスが訪れた。

話は昨年秋に持ち上がり、具体的な話はつい昨日までしていなかったため、このブログでも取り上げなかった。僕が契約している旅行会社の出資により、数千部の印刷ができるかもしれない。そして、販売コード(ISBN)をとって、少なくともオンラインでの販売は可能になりそうだ。昨日都内で打ち合わせをし、これからの計画を話した。今回は印刷まで持っていけそうだ。

一般的にいう「出版」ではない。それはどこかの出版社を通すわけではないからだ。だが僕にとっては、いままで取り続けていたアラスカの写真を自分の中でまとめる良い試練となった。

サンプルは昨年末に米国のBlurb Books から印刷し、日本語文章を自分で作文したものを貼付けた。こうして、5年間見続けてきた僕の中での、アラスカの自然をまとめることができた。

ひとつの懸念は、僕が5月12日までしか日本にいないということ。制作のスケジュール次第だが、お互いのモニターとカラーマネジメントが一流であれば、データでの色校も可能だろう。この機会に自分のその部分もレベルを引き上げたい。

今回の企画は、制作過程を区切り、ブログに記していきたい。


2014年4月16日水曜日

ブログについての反省

知識には、能動的なものと受動的なものがあると、以前から感じていた。これが能動的なときには、なにか書き物をしたくなる衝動がある。しかし、受動的なときには、何かを書こうと思っても、ほとんど書き出し5行程度で筆が止まる。そこから無理に書いても支離滅裂となる。

 自分の状態としては、一定の圧力をかけ、集中してひたすら本を読んだ後は、知識は必ず能動的となり、吐き出したくなる。これは咀嚼しながら、自分の考えを頭で整理する活動ともいえるかもしれない。そして、肉体的に忙しい状態、あるいは精神的にリラックスした状態では、受動的な知識がたまる。このようなとき、いくら本を読んでも書いてまとめるという気持ちにはならない。

 このブログの投稿は、わざと自動投稿しないようにしている。自動にすれば、書きたいときに大量に投稿をためておいて、コンスタントにブログを更新することができる。しかし、それはこのブログを始めたときの目的に反する。2008年の書き出しの月にも考えたことではあるが、このブログには、自分の精神的な活動の記録という側面も持たせているため、どの年の何月は、自分がどんな状態であったか、ブログの内容と、投稿の頻度を見れば、自分で正確に省察することができる。

 いつも読んでくれている方には申し訳ないが、(これはひとつの言い訳にもなっているけれど)このブログを通して、ひとりの動物写真を仕事としていく人間の過程が少しでもリアルに映し出されればと考えている。

もちろん、このブログは、来年も続いているし、5年後もまだ書いているだろう。

2014年2月21日金曜日

厳冬期のマッキンレー


2月17日のマッキンレーを撮影した。


フェアバンクスから小型機(ナバホ)で南下すること約1時間。アラスカ山脈の北側斜面に到達する。2月の厳冬期ではあるが、太陽の日差しはすでに春を感じさせる。