来月6月半ばから、本格的にオオカミを追跡する時間を設けた。場所はデナリ(Denali)国立公園。上の地図でわかるように、場所はアラスカの真ん中に位置している。
オオカミとの遭遇の可能性を高めるために、事前の準備が欠かせない。撮影のための資料としては古いが、オオカミの群れ(以下、パック)の動態を知る上ですごく参考になるのが生物学者のまとめた文献である。オオカミ研究の権威デビッドメッチの資料によると、デナリ周辺には20年ほど前から15ほどのパックが確認されている。その中でも比較的定住傾向にある群れが2パック、 East Fork(EF)と Headquoters(HQ)と名付けられているパック。
EFパックはアドルフミューリーが世界で初めてオオカミ研究をしたときの対象となったパックだ。彼の研究は1940年、下の図でメッチの研究は1990年前後。少なくとも50年以上群れのテリトリーが固定している。
テリトリーの大きさはリーダーの強さやパック内の個体数によって変化があるそうだが、この図からすべての年のテリトリーが重なっている核のようなエリアを見ることができる。僕の考えでは撮影の可能性を高めるのはこのエリア。あるいは、詳細情報が得られれば、テリトリーのエッジの部分も可能性は高いと考えている。なぜなら、テリトリーのエッジはパック内のオスたちが縄張り確保のためマーキングとパトロールをする場所であり、頻繁に通るからである。
East Fork パックを選んだもう一つの理由は、先程述べた核となるエリアへ車でアプローチできるからである。そこで、デナリの地図とEFパックのテリトリーをフォトショップで重ねてみた。
まず、このエリアへ入ることになるだろう。
それからもう一つが HeadQuoters のパック。
バックカントリーで国立公園へ入るのが初めてなので、川がとても重要になるだろう。これに沿って歩きさえすれば、道に迷うことがないからだ。
しかし、なによりも最新のオオカミ動態の情報が必須である。これら二つの定住傾向にあるパックについての研究とウェブでの情報収集を並行して進めて、現地到着前にフェアバンクスのADF&Gへ再び行く必要がありそうだ。
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