2010年4月26日月曜日

Bubble Net Feeding



Bubble Net Feeding (上図)とは、南東アラスカに住むザトウクジラに特有の採餌方法である。そのユニークさは Social Foraging (集団採餌)にある。
簡単に説明すると、みんなで泡で魚を囲ってみんなで一斉に食べる、賢い方法。南東アラスカ以外の地域だと、これを下のイラストのように、一頭で行い、バブルを使うことも珍しいそうだ。




しかし、何らかの理由(未だ解明されていない)で、この南東アラスカの地域に住むザトウクジラは、集団採餌をする。僕は単純に、夏場の南東アラスカには、かれらの主食となっているオキアミよりも、ニシンが多く、群れをなして回遊しているため、それらを捕るために効率よく産み出された方法なのだと考えている。一日に1.5トンもの食料を必要としているのだから、オキアミをせこせこかき集めるよりも、一度に多くのカロリーが取れるニシンを採ろうと考えるのが普通だ。あまり話を膨らませすぎない方がいいのだが、いずれこの南東アラスカのクジラたち、正確に言えば、このバブルネットフィーディングを行う個体群は、オキアミを採るためのひげを失い、亜種へと進化していくと想像している。(そんな頃に僕らは生きてはいないけれど)


上図解説:surface 海面、 bottom 海底、 prey 獲物、 bubble net、気泡ネット
ニシンを追い込む役割のクジラが、その採餌行動のときにしか発しない独特の声を出し、ニシンを追いつめていく。ニシンは声のしない方へと誘導される。気泡ネットを出す役の個体がニシンを泡で囲む。

動画はこちらから→バブルネットフィーディング

2 件のコメント:

クヤマ さんのコメント...

亜種へと進化するクジラ。
ニシンもクジラから逃れる術を得た、亜種も出てくるかもね。
ワシらがいなくなった、はるか後に。
そんなことを考えると、楽しい。

Takashi Nakashima さんのコメント...

そう、そういうスケールで考えるのが面白いんです。そう考えるとヒトは逆で、収斂していく感じです。