2011年10月25日火曜日

レンズレンタル


いままでレンズをレンタルして撮影行へ出かけるという考えが頭になかった。対象の動物が捕れるか撮れないかがわからない場合は、まず現場に下見をしにいき、撮影できることが確実になって来たら、レンズをレンタルして出かける、という考えが浮かんだ。
現在僕の持っている望遠はNikonの80−400mmで、ボディの画像素子がAPS-Cなので最長600mmで撮影を続けて来たことになる。しかし、この望遠レンズはインナーフォーカスではなく、開放もF5.6と暗い。

日本にもたくさんのレンタルショップがあり、相場は米国と同じくらい。
レンタルを考えたときにたとえば70ー200mm(F2.8)であれば1泊2日で5200円
実際の値段が18万円くらいするので4、5回のレンタルは十分価値があると思う。

現在考えているのは実売価格50万円くらいする単焦点の300mm(AF-S NIKKOR 300mm f/2.8G ED VR II米国の有名なサイト(下図)で見積もると、実使用日数4日で送料込み2万円くらい。どうしてもこのレンズでなければだめな対象がある。これを4、5回の撮影で試してみたい。



2011年10月14日金曜日

アイルロイヤル島へのアプローチ(メモ)

島に棲むオオカミということで特異的な個体群が、米国ミシガン州の五大湖に浮かぶ島、アイルロイヤル島というところに生息している。島の大きさは佐渡島より少し小さい程度。島嶼地域は環境資源が限られており、大陸に比べて脆弱な生態系をもっている。ここの生態は日本では話題にならないためあまり知られていないが、18種の哺乳類が棲んでいるとされているもののクマのいない島で、オオカミとムースが食う食われるの関係にあるとてもシンプルな生態系で有名である。

(アイルロイヤル島について 日本語ページ)

アイルロイヤル島の位置


アイルロイヤル島国立公園


国立公園は4月16日から11月1日まで開いており、冬はオオカミをメインとして動植物を保護する理由と、この島の気候の厳しさのため閉鎖される。ビジターセンターは島の西側のウィンディゴセンターとロックハーバーセンターがある。他に、島に入る前のミシガン側本土にホートンビジターセンターもある。それぞれ時期によって営業時間が異なるので注意が必要。9月半ばにはほとんどが閉鎖。冬の間は管理オフィスがホートンで開いており、訪れることができる。
(ビジターセンター詳細ページ)

入園料:
アイルロイヤル島国立公園へ入園する場合、入園料として一日$4を支払う必要がある。
(入園料について)

島への入り方:
まずは主要な港までは車かバスを使ってたどり着く必要がある。ミシガン側であれば、ホートンという港町。ミネソタ側であればグランドポーテージ。港からはそれぞれ船や飛行機がでているが、スケジュール的に複雑なので、島へ上陸する場合は緻密に計画を立てる必要がありそうでだ。

ミネソタ側からのアプローチ

ボヤージャーⅡ(ボート)
この船はミネソタのグランドポーテージという岬から出ている。
5月7日から10月2日まで金曜日以外運行している。シーズン中でも時期によって時間と寄港する場所が違うので注意。

ミシガン側からのアプローチ

レンジャーⅢ(ボート)
この船は国立公園局が運営する。ミシガンのホートンという川辺から運行している。
5月31日から10月11日までで3〜4日に一便がシーズン中運航している。岬からロイヤル島までは5時間。

アイルロイヤルライン(ボート)
この船はカッパーミシガンという岬から定期便が運行している。込み具合により運行する曜日が異なるので注意が必要。シカゴから車で8時間強。岬からロイヤル島までは2時間。
ピークシーズンである7月15日から8月15日までは大人往復$130
以降9月30日までは$114
車で行く場合、岬に一日$5で駐車しておくことができる。
(2011年現在)

ロイヤルエアー(フライト)
飛行機もシーズン中は利用可能。この航空会社はミシガンのホートンにあり、毎年5月中旬〜9月中旬まで運行している。
予約が必須。ロイヤル島までは往復一人$290

2011年10月3日月曜日

マイケルクイントン研究 -part 4-




この写真の主題は静寂、対象が湖面にいる白鳥と考えられる。

基本撮影データ予測:1/125 f/4 ISO50 200mm PLフィルター使用

白鳥を対象とした写真は以前にも考察したが、この水面に漂っている白鳥は同じ白鳥であってもイメージが異なる。白鳥が湖面を動くスピードは緩やかで静かである。この曇りの日の薄く淡い光が主題にマッチしていることで写真全体が統一されている。無駄なものがない写真である。また、白鳥が2羽であることも重要で、もし一羽だった場合、表現は「孤独」が加わり、やや暗い印象の「孤独な静寂」という写真に仕上がる。2羽いることが静寂を「平和な静寂」となるようサポートしているようだ。

技術的なことを言えば、この背景に体の真っ白な白鳥の適正露出を得るためには、測光方式を中央部重点にしていても2段は落とす必要がある。おそらくクイントンは白鳥の向かう方向を予想して、白鳥が目的のポイント(この写真の位置)に来る前に何度か試し撮りをして適正露出を得たに違いない。チャンスを直前に予測し準備した写真。

グラントカリブー


これは僕がデナリ国立公園のワンダーレイク滞在中に見つけたカリブー。もう一頭仲間がついて来ていて2頭で行動中だった。世界中には色んな種類のカリブーがいるが、これはグラントカリブーというカリブーの仲間。デナリではたびたびカリブーを見かけていたが、追いかけたことはなかった。今回はできるだけ気付かれないように後を追ったが、彼らは林を抜けて川縁にさしかかったときにとくに神経質だった。耳をピンと立てて周りを常に気にしながら歩き、ときに立ち止まり後ろを振り返ったりあたりをキョロキョロした。そのあと僕の存在に気付き一目散に反対方向に走っていったが、川の対岸にあるスプルースの森に近づいたところで落ち着いた。カリブーは森の中へ入っていく者ではないと思っていたが、このときカリブーもやはり逃げるときは森を使うのだと気付いた。