2011年10月3日月曜日

マイケルクイントン研究 -part 4-




この写真の主題は静寂、対象が湖面にいる白鳥と考えられる。

基本撮影データ予測:1/125 f/4 ISO50 200mm PLフィルター使用

白鳥を対象とした写真は以前にも考察したが、この水面に漂っている白鳥は同じ白鳥であってもイメージが異なる。白鳥が湖面を動くスピードは緩やかで静かである。この曇りの日の薄く淡い光が主題にマッチしていることで写真全体が統一されている。無駄なものがない写真である。また、白鳥が2羽であることも重要で、もし一羽だった場合、表現は「孤独」が加わり、やや暗い印象の「孤独な静寂」という写真に仕上がる。2羽いることが静寂を「平和な静寂」となるようサポートしているようだ。

技術的なことを言えば、この背景に体の真っ白な白鳥の適正露出を得るためには、測光方式を中央部重点にしていても2段は落とす必要がある。おそらくクイントンは白鳥の向かう方向を予想して、白鳥が目的のポイント(この写真の位置)に来る前に何度か試し撮りをして適正露出を得たに違いない。チャンスを直前に予測し準備した写真。

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