2009年5月19日火曜日

Editorship

今まで撮りためた写真でポートフォリオを作成した。動物のみのカテゴリーで20枚ほどのアルバムだ。
そのアルバムをいろんな人に見てもらって、面白い考察を得ることができた。

まず、ぼくのポートフォリオを見たとき、僕のブログをたまに見てくれている人と、僕のブログ自体を知らない人の反応が全く逆だということ。これは面白い結果だと感じた。ブログを見てくれている人は、そのプリントになんだか不満げな、納得いかない意見や表情をする。ブログを知らない人の反応は写真を見て驚いたり、どう撮ったかなど積極的に聞いてくれる。この違いを冷静に考えてみると、ブログを見てくれている人がただ単に自分の写真のほとんどを一度見たことがあるから消極的な反応だった、という理由だけではないようだ。

原因を探ってみると、2つの可能性が考えられた。
一つは透過光と反射光の違いからくる見え方の違い。パソコンのモニター上で見る光はスクリーンを通過して目に届く透過光であるのに対し、反射光は光が紙面に反射してその光が目に届いている。この違いは一般的に透過光のほうが反射光に対し、色空間がひろく、色彩が鮮やかに感じられるとされている。

もう一つは、「全体は部分の総和にあらず」という考え。全体としてのポートフォリオはポートフォリオとして考えなくてはならない。いいと思う写真をファイルするだけでは不十分だった。
ブログに写真を載せるときは一つの写真に対して説明を加え、その写真について、なにかしら物語が付いている。それはそこで自分なりに完結させている。しかし、ポートフォリオはただ単純に写真をファイルしていただけで、コンテクストもなく、実は並べ方などほとんど考慮していなかったという欠点があった。フォトグラファーの写真集などを見ればすぐに気づくことだが、写真の前後にどういうものが並んでいるかによっても感じは大きく変わってくる。この並びに関して、大差はない、などと考えるようでは、プレゼンテーションをする資格はない。
もちろん、全体を構成する部分のクオリティーが低ければ写真の場合どうがんばっても、そう良いものは生まれないだろう。また、絶妙なコンビネーションを作る感覚も持ち合わせていなければいい表現はできないのも確かだ。

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