2010年9月12日日曜日

Dance Lesson


道路から茂みをかき分けて入っていくと、そこに見渡しの良いダンスの練習場があった。

 僕がこっそり覗き込んだときには若い一羽がすでに準備を始めていた。


 三羽でなにやら打ち合わせの様子。


 時折羽を広げては閉じ、仲間へなにかを伝えていた。


 すると一羽が仲間へ自分の踊りを披露。


 なかなか軽快なステップで羽をいっぱいに広げては飛び上がり、足踏みしてリズムを取った。


 不意に横から一羽が加わり、

 そこに居合わせた仲間みんなで踊りが始まった。


 何か決まった踊りがある訳ではなく、まとまりのあるものでもなく、一羽一羽が好き勝手に踊った。

ある者は、くちばしで草の根をくわえて飛び上がったり、くるくる回ったりして自分の踊りを他の仲間へ見せつけるようにした。またある者は他人の踊りをしばし眺めてはその場で羽を広げてみたり、足踏みだけしてみたりして他を見習った。


日がちょうど地平線に半分隠れる頃、踊りを最初に始めた者がそこを離れ舞台は静まり、一羽ずつそこを飛び立った。

 彼らは夏場アラスカなどの北アメリカで過ごし、冬になる前にアメリカ南西部へ渡る。





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