2010年11月22日月曜日

マイケルクイントン研究 -part 1-



Michael Quinton の作品

※マイケルクイントンはアラスカ在住のナショジオフォトグラファーで、特に動物を対象としたときの彼の作品には注目すべきである。写真家本人についてはまたの機会に記述する。

比べるに値すべき写真を持ってくるべきだが、第一考察では自分の写真の中からクイントンのストックの中に似たものを探し、比較してみることにする。差のわかりきった写真の比較から始めた方が、後の考察へ発展させやすいこともあるためである。

まず、基本撮影データ予測をした後に、クイントンが良い作品制作に成功しているポイントを挙げていく。

基本撮影データ予測:1/250 f/5.6 ISO 100 300mm 日の出から30分 やや雲天

① 背景のぼかしによって対象を浮き立たせている(基本)②対象の露出の適正 ③背景の色とトーンを対象である白鳥の白との大きな対比としている。④太陽の角度が低くややオーバーキャストの光を用いてドラマチックに仕上げている。⑤対象の白鳥の毛並みが良い。⑥対象のシンプルな特徴とシンプルな背景という単純だが力強い構図に仕上げている。⑦湖面に反射する白鳥をやや波立たせることで本物をより強調している。⑧アイレベルに近いアングル(やや高い位置から撮影している)。


自分で撮影したもの

次に、自分の写真の問題点をクイントンの写真の利点を活かした考察をしてみる。❶対象と湖面とのトーンが似通っているために、白鳥が中途半端に主張している。❷トウヒの黒い反射が紅葉と白鳥のトーンを邪魔している。❸白鳥が後ろむき(前向きであれば少し力強さが増すだろう)❹対象の二羽の占める割合が狭いため縦位置構図を無駄に使っている。❺対象に近づけきれていない。

総評してみると、やはり自分の対象に対する研究不足ということになるだろう。白鳥のシンプルな体の作りと色、毛並みの良い季節、行動様式を最低でも知った上で、このモチーフの写真を撮る必要がある。実際にこのときは白鳥を撮ろうとして撮影に出かけた訳ではなく、見つけたので撮ったのである。かけた時間もわずか1時間半ほど。この場合、白鳥をモチーフにするのであれば、先の事前知識が必ず必要であった。したがって、そのときの自分の撮影状況であれば、風景(紅葉)を対象とし、ポイントとして白鳥を入れるのが正しい対象選びであったということになるだろう。写真そのものについてのまとめとしてはクイントンが対象をはっきりさせ、それを引き立たせる技術を駆使させているのに対し、自分の対象は中途半端であるという点に尽きる。

2 件のコメント:

iwaidai さんのコメント...

写真のことはわからないけど、
感覚的に渉の写真のほうが好きだな。
色がきれい。

Takashi Nakashima さんのコメント...

お久しぶりです!
コメントしてくれてありがとうございます。

僕の写真はまだまだなんです。
いまは来年の干支を追いかけているところです。
また近いうちにメールで連絡します!