2011年11月23日水曜日

記事から抜粋

 Having something to say
何かいいたいことを加えるということ —クリス・ウェストン
Magazine text is on the bottom of this article.
(以下、日本語翻訳文)


プロでやっている人の話を聞くと、'making images' イメージをつくる、という言葉をよく耳にする。「イメージをつくる」ということと、'taking images'「イメージを撮る」ということの違いは、たった一語の違い以上に大きなちがいがある。そして、このイメージをつくるというアプローチこそが、トップの写真家とその他大勢を区別することになる。まず、何かいいたいことをもつ写真家、ということを頭に入れておこう。


わたしが野生動物の撮影をはじめたのは、動物の行動に魅かれたからだ。私は、なぜ自然のなかの摂理はそのような仕組みをとるのか、という疑問を抱いた。よく思ったことは、「なぜシマウマは、黄色い草原に覆われたサバンナのなかで、シロクロの縞模様なのか」という疑問である。その答えを学ぶとすぐに、わたしはそれを視覚で伝えるためにカメラをもちいた。これは、わたしが写真で何を「言いたい」のか、というきまった考えを頭にいれて、撮影対象にアプローチしたことを意味する。そして、この目的のために、わたしは自分の、自由に使える機材と、画面構成の技術をつかった。カメラを持つずっと前から、このイメージに対するながいキャプションを書いていた。まず、座ってキャプションを取りあげ、どのようにこのキャプションに合ったイメージをつくることができるだろうかと考えるのである。わたしはいまだにこの方法をつかう。たとえば、わたしがフィールドにいたとして、シャッターを押す前に、主題に直面してまよっていたら、「このショットにはどのようなキャプションをつけることができるだろうか?」と考える。動物の種の名前しか思い浮かばなかったら、よりよいシャッターチャンスを待つ。


何をいいたいのかということを知ることは、結局自分の主題を理解することになる。野生動物について学べば学ぶほど、よりアイデアをもてるようになるのだ。わたしはこの知恵をフィールドワーク、本、ドキュメンタリーなどから得るようにしている。主題のことについて知ることは、野生動物写真だけにあてはまるものではない。どのジャンルにおいてもトップの写真家は、対象についての親密な知識を備えている。
(雑誌、Outdoor PHOTOGRAPHY 2010年10月号より)



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