2013年6月3日月曜日

キツネ

今日はじめて野生動物に追いかけられるという体験をした。

その動物はキツネ(Red fox)なのだが、これはとても興味深い。
これは明らかにキツネの勘違いによるものだからだ。

ぼくは毎日夜にランニングをしている。いままでランニングコースでは、ノウサギはよく見かけていた。キツネははじめてだった。

今日、走り始めにノウサギを2匹見た。彼らは夜行性である。夜は、ゆっくり近づけば10メートルまで行ける。神経を集中した野獣気分で行えば、5メートルくらいはいける。
この距離には必ず地域性があるので、どこのノウサギもというわけにはいかない。
しかし、彼らもいくら夜でも眼が見えるとはいえ、昼よりも動体を認識する能力は落ちるようだ。

僕を追いかけたキツネもまた夜行性だ。このキツネは、僕が見たその2匹のノウサギを追っていたに違いない。僕が往復してコースを戻ってきたときに、同じ場所で僕を追いかけ始めたからだ。もちろん僕も本能的に驚いたし、はじめは気味が悪かったが、途中から笑いそうになった。そして足を止め、正対するとキツネもギョっとしたに違いない。すぐさまキツネも足を止めて、ひと唸りした。そして僕が足を一歩踏み出すと、とっさに逃げ出したのである。

もしこれが狂犬病が伝搬したとか、そういう噂を聞いていたら、僕のほうが一目散に逃げ出していただろう。これが狂犬病に罹患した個体だと、おそらく僕に近づき、かみつくからだ。

もちろん今回も罹患しているかどうかを判断できたわけではない。正対してみて様子をうかがったときに、そういう知識を持っていれば、キツネの行動の異常を感じるはずである。クマに出会うときもハクトウワシの巣に近づくときも、そんな気持ちでやっている。

キツネも狩りのモードに入るということがあるのだろう。そうなると、ただでさえヒトよりも動体に対して敏感な眼が、余計に反応してしまうに違いない。そしてまた自分から逃げていくものだと、それがよりいっそう強まるのだろう。

それにしてもおかしな体験だった。


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