2008年3月3日月曜日

wolves


オオカミについて興味を持ち始めたのはいつ頃だろうか。
幼少の頃から動物、とくに哺乳類が好きでそのまま動物学科の大学に入り、その図書館で見つけたエリックツィーメンという学者が書いた「オオカミ その行動と生態」を読んだときだったかもしれない。今ではその内容をほとんど覚えていないのでまた読みたい。

今回オオカミというテーマで書き始めたのは、これから自分が写真を撮っていく際に、必ず生態写真として収めたい動物がオオカミだからである。このオオカミという動物、調べれば調べるほど人間と関係が深く、似通った社会生活をしていると感じる。オオカミが牧畜を襲うため、昔からオオカミは広い範囲で人間から迫害されてきたが、オオカミが広いニッチ(生息地域)を必要とすることや、人間よりもハンティングがうまい事なども原因かもしれない。これらの人間と競合してしまう生態から、人間はオオカミを「邪魔な動物」と決めつけた。そして世界各地で絶滅に追いやった。日本においても、である。しかし今なお、オオカミは「怖い」「悪い」「暗い」というイメージが根強く残っているのではないかと、文献を読んでいると思うことが多い。

オオカミについての歴史的記述はまた後日述べるとして、この動物の撮影について考えていきたい。野生のオオカミを撮影しようと思って、100%撮影できるカメラマンを僕は一人しか知らない。今まで数多くのネイチャーフォトグラファーを調べてきたつもりだが・・・。それほどこのオオカミという動物は撮影が困難なのである。ただし、僕は俄然やる気が出る。撮影が困難な第一の原因は彼らの嗅覚だといわれる。クマでさえ人間との距離が数キロ離れていても、その臭いを感じ取る事ができるのに、オオカミはそのまた数倍嗅覚がいい。その嗅覚によりオオカミたちは自分たちのテリトリーに侵入してきたカメラマンの臭いを時間差をおいて嗅ぎ取る。あたかも人間がTVやインターネットから情報を得るように、オオカミは侵入者の臭いによって、時間、距離、種類などほとんどすべての情報を得るという。彼らのフィールドにおいて生身の人間では敵うはずがない。上述したが、撮影を100%成功させるオオカミ撮影のスペシャリストがいる。ミネソタ州在住のジム・ブランデンバーグだ。(彼のバイオグラフィーはまた別の機会に設ける。)彼はなんと、オオカミのテリトリー内に自宅がある。普通はそんなところに自宅を構えるとオオカミは避けるようになるだろう。しかし、彼はまず先に彼自身をオオカミに認めさせてしまった。これはオオカミのリーダーになったヴェルナーフロイントの話しとは違う。ジムは「部外者」として慣れさせてしまった。こうしてそこに棲むオオカミはジムを気にしなくなった。彼の著作「brother wolf」(上:表紙写真)を読めば、中の写真から、部外者として節度と敬意をもってオオカミの群れと対峙している様子が見て取れる。
僕は正直これを真似しようなどとは思わない。できるとは思うが、いざ撮影というころに自分が老いていては元も子もない。それほど時間とお金がかかるという事だ。ではどのようにオオカミにアプローチをするのか。構想は既に決まっているが、それを次の投稿で考える。


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