2012年2月25日土曜日

カモフラージュ


これは動物撮影のときに使うカモフラージュ。もともとはシカなどの大型哺乳類のハンティングに用いられていたものを、イギリスのステルスギア社が野生動物撮影用に販売している。

話はそれるが、ハンティングというのは最終目的はちがうものの、野生動物の撮影と最後の最後まで同じ行動をする。時折ハンティングの雑誌を読んで、動物へのアプローチ方法や、自分の存在の消し方を学んだりしている。

ストイックに考えれば、このカモをつかうからには、セントリピーレントという自分の体や衣類、撮影道具までも臭いを消す洗剤を使って、数日間待機する方法をとるべきなのだ。

個人的には、この道具をまだ回数を重ねて使用したわけではないので、意見を言うことはできないが、いままで逃げられていた動物に対して使ってみることを考えて購入した。前回に紹介したリモートシャッターとあわせて、ここから200メートル離れた対象を狙う。

冬は雪に隠れるため白のカバーをかけることができる

ただし、どの動物をターゲットとするにしても、自分から近づくのではなく、動物が撮影圏内に侵入したところを狙うわけなので、動物をおびき寄せる、なにかしらのルアーが必要になる。アメリカの国立公園ではそういった規制は厳しいため、ルールに則った行動をとらなくてはいけない。

今年の夏に、数週間を費やしてカモフラージュ撮影をする計画を立てている。この結果や感想はまた投稿したいと思う。

とにかく今までの、自分からアプローチする撮影方法とは大きくスタイルが異なるので、予備知識と忍耐が求められる。



2012年2月17日金曜日

Velbon リモートシャッター


リモートシャッターを購入した。セキュライン社製のツインワンR3という製品。これは今あるリモコンシャッター製品の中で、おそらくいちばん作動距離が長い。Nikonのボディで100メートル離れたところからでもシャッターが切れる。


これを何に使うかと言うと、遠距離の動物を撮影するために使う。近づくことの難しい撮影対象に対して、離れたところからシャッターが切れるので、より撮影の可能性が高まる。600ミリの望遠で100メートル離れ、このリモートで100メートル離れるので200メートル離れることができる。現段階の構想では、自分は200メートル離れた位置で、ブラインドという小さな撮影用テントに入り、動物が来るのを待つ。いままで真剣に取り組んだことのない、動物写真のひとつの王道的な撮影方法。海外の写真家では、ヴァンサン・ムニエや、マイケルニックニコルズが得意としている撮影方法。
もちろん固定カメラだけでは頼りないので、もう一台のカメラをもってブラインドの中で待機する。

難点は、一度セットすると、自分はカメラから100メートル離れることになるので、構図の変更ができない。つまり、レンズの向いている、決められたポイントに動物をおびき寄せる必要があるということ。じつはこれをまずできるようにならなければ、このリモコンを買った意味はないのだが、おびき寄せる練習段階で使っていく必要があった。

テクニックは練習して体得する必要がある。何度もつかって新しいシャッターチャンスをつくりだせれば、写真の幅が広がる。またひとつ撮影の面白みが増えた。

2012年2月16日木曜日

フェイスブック

5年前にやり取りしたメッセージが、そのまま保存されていて、久々に連絡するとその下に追加されていく。

2007年から友達の紹介ではじめたフェイスブックだが、そのときに今生の別れをした友達と、気付いたらすごく身近にコンンタクトをとってる。おそらく、いつか会いにいくと約束したことも、こうして会話をすることでお互い満足しているんだろうと思う。

日本の友達も最近みんな始めてる。たくさんの友達と気軽に連絡とれるのはいいけれど、一期一会の感は、まちがいなく薄まるだろうと不安になる。やっぱり実際に会って話をする方が楽しいに決まっているのに、またフェイスブックで!とか、自分も言ってる。

2012年1月24日火曜日

写真集の研究(情報収集)

アラスカの自然をテーマとした代表的写真集5冊

※推定制作期間はアラスカへの撮影行の歴であって、各写真集のために費やした時間とは限らない。


アートウルフのアラスカ
ALASKA 2000年出版(推定制作期間:25年間)

  内容を山、湖といった自然の地形で分けている。
  特徴はアラスカの動物と風景など、自然を総括した構成になっていること。
  文章はアラスカを代表するライター(ニックジャン)にゆだねている。
  160ページ(文章は写真鑑賞に邪魔にならないよう配慮された構成)
  写真はリズム感と躍動感のある写真が多い。



星野道夫のアラスカ
ALASKA 極北・生命の地図 1990年出版(推定制作期間:14年間)

  内容
  特徴はカリブーやグリズリーなどの生態が中心
  文章は、生命や自然の深遠さを伝えるエッセイ調。
  90ページ



マチアスブレイターのアラスカ
WILD ALASKA  2007年出版(2007年出版(推定制作期間:20年間)

  内容を極北、南東アラスカといったアラスカの地域で分けている。
  特徴は写真の中に小さな写真を挿入して、場所の雰囲気を伝える。
  文章はアラスカの情報を詳細に取り入れた解説調。
  250ページ(各ページがランダム構成。キャプションと本文が入り交じる。)
  写真は404枚使用されていて、半分が説明カットや連写カット



田中光常のアラスカ
世界動物記 アラスカ編 1971年出版(推定制作期間:2年間)

  内容を動物の種で分けている。
  特徴は報道性を重視した、アラスカの動物の紹介に重点を置いている。
  文章は、撮影行日記でノンフィクション調。
  200ページ(前半は写真のみ、後半は文章のみの構成)
  写真はそれぞれ図鑑的な撮影方法で動物にのみ焦点を当てている。



マイケルミルフォードのアラスカ(一部に焦点を当てたもの)
Hidden Alaska –Bristol Bay and Beyond 2011年出版(推定制作期間:不明)
 
  内容を自分のテーマで分けている。
  特徴は、タイトルを「隠されたアラスカ」として、新たな視点を読者に与えるよう配慮している。
  文章はテーマについて、アラスカの隠された部分に新たな見方を与えるもの。
160ページ(写真に対してある程度の文章の文章を添える)



オーロラ



オーロラの不思議さは、やはり動くこと。それも天体と違って不規則だということ。一度として同じ写真になったことはないし、同じ形を見たことがない。一時的に強くなったり弱まったりもする。毎日見えるわけではないことから、その希少さも不思議だという感覚を引き立ててくれる。夜に現れるから、というより夜にしか「見る」ことができないから、恐怖に近い感覚になることもある。
でもいちばんいいのは、こうして写真にすることではなく、肉眼でそれを見るということに尽きる。

2012年1月14日土曜日

時間

今年で30になることを考えた。

単純計算で仮に、60歳までの自分が自由にもつ時間を計算するとこうなる。

のこりの30年間=睡眠時間(10年)+食事など生活で必要な行動時間(5年)+人のために費やす時間(10年)+自分の自由時間(5年)

なにか成し遂げたいことがある場合、残された時間を計算するとき、それが自由である場合と、そうでない場合とで考え方は変わる。自由である場合は、自分のもっている時間が長くなる。

もし、この「自分の時間」の5年間(43,800時間)に、一日をむだに過ごすようなことがあれば、次々に成すべきことから遠ざかる。

また、この自由時間にも、成すためにしなければいけないこと、たとえばお金を稼ぐことがあって、これがすべて自分の自由時間に直結するわけではない。

概算すると約25,000時間が、自分の本当の自由に当てられる時間になる。

これが一生であることを思うと、どれほど短いか。


この考えに非難はあるだろうけれど、何かをしようと人生を自分で動かしている人にだけはわかる。

しかし、慌てたところで何かが変わるわけではなく、狼狽はこの貴重な時間の浪費につながる。とにかく点で過ぎゆく現在を、自分の意志をめぐらせて行動するのみ、というのが新年の抱負になる。

2011年11月27日日曜日

マイケルクイントン写真研究 -part 5-



マイケルクイントンはナショナルジオグラフィックの契約カメラマン。24のとき、より動物写真をとるチャンスを増やすために、アイダホ州からアラスカ州へと移住したという。

左の写真はマイケルの初期の頃の仕事で、ハシボソキツツキ(Northern Flicher)の飛行をとらえた写真である。ナショナルジオグラフィックから選出される写真すべてに言えることだが、この写真のすごさは、動物自然写真の、基本的な追求すべき要素である、Sense of Wonder (驚異の感覚)を確実にとらえていること。見事にこの鳥の、普段見られない内側の羽を暴露している。

マイケルクイントンはまず間違いなく、この飛行の写真をリモコンかセンサーで撮影している。この撮影場所は、自宅のすぐそばであるという記述があるので、この鳥の行動を予測した上でセッティングしたことは間違いない。彼の中には、すでに出来上がりの構図があり、何を表現するかを見越した上で撮影を実行した。

ナショジオに掲載された、バリエーションカットはこちら


ハシボソキツツキの外見は左の写真のように、地味だ。
動物写真をとらえる上で、ひとつテーマとなるものに、「既成概念を覆す」というのがある。これを示すことで、対象のキャラクターの新しい局面を伝え、人のその動物への見方を変える。