2009年4月18日土曜日

Scratch Board


絵画の授業で、スクラッチボードの課題が出た。絵画の授業では、描く対象物をほとんど自分で決めることができるので、スティルライフの課題をのぞいて、すべて動物か植物を描くことにしている。


今回のスクラッチボードでは、ハクトウワシを写真で捉えた構図で、そのまま正確に写すことを試みた。下はもとの写真。描いていて意外と足が太いんだな、とか、くちばしの鼻孔の部分はカラスと同じような作りになってるんだな、とか気づくことがあり面白かった。

スクラッチボードではあるけれど、絵画の中で詳細を描き出す苦労をいままで味わったことがなかった。それを描くためには対象に対する深い洞察が必要で、じっくり観察しなくてはならない。写真の中でのワシの羽をそのままスクラッチしてもリアル感は出ない。そのため、ワシの羽がどのように生えていて、どっち向きなのかなどを調べ、考えながら削っていく必要がある。
さらにボケの部分の描写は一番難しい。2Dのなかに3D感を出すためにボケ味の箇所を作ることは、上のような構図の場合は必要で、ボケているのでテキトーに、と安易に削るとなかなかその遠近感が出ない。

フォトグラフィックリアリズムを短時間で求めることが難しいのは当たり前なのかもしれない、と削りながら考えたりした。このワシは、少なくとも5年かかってこの本当のワシとして生きている。5年の歳月を経て創造されたものをたかが4、5時間の授業で同じに表すことなど不可能なのかもしれない。


2 件のコメント:

Hiroko さんのコメント...

開いた瞬間、”わー....”って思わず口に出してしまいました。スクラッチボード見て。

たかしさんの今まで見せてもらった写真とこのart workの”迫力”、好きです。

Takashi Nakashima さんのコメント...

ありがと。スクラッチボードおもしろかったよ。Drawing のクラスとると自分の撮る写真の詳細を気にするようになるからいい。写真のためにそのクラスとるのは教授に失礼だけど、感づかれてます。