2011年9月23日金曜日

ハヤブサ

Peregrine falcon breeding
北極圏で見たハヤブサの子育て。彼らを含む多くの猛禽類は北極圏の短い夏のうちに子どもを大急ぎで育て上げなければならない。冬の寒さが到来する前に子どもたちが飛べるよう成長できなければその場で力つきてしまうからだ。

そんな忙しい母親の邪魔はしたくなかったので、極力刺激を与えないようゆっくり動き、地味な服装で近づいた。巣のあった場所は川の流れで削り取られてできた崖。

写真はちょうど夏至の頃、おそらくこの子どもたちは生後1ヶ月たたないくらいだろうか。5月末頃に生まれたことになる。

ここで面白かったのは、母親がすでに子どもたちを自立させようという教育のステージに入っていたこと。写真はちょうど餌を与えているシーンだが、実はこのころ母親はすぐには餌を与えていない。というのは、一度、餌のネズミを巣に持ち帰るや、それをすぐに持ち去ってしまう。そして巣から50メートル程のところに降り立ち、しばらく子どもたちの様子を窺っているのだ。子どもたちはというと、母親が巣から離れると、すぐに鳴きだし、その直後に羽ばたきのしぐさをする。

明らかにまだ和毛で子どもたちは飛べるはずもないことを母親は恐らく知っているに違いない。少しでも早く飛べるようになることがこの自然で生きていくための条件となることを教えているようだった。

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