2013年3月5日火曜日

夏の計画について - Chase the woleves Part 8 -


久しぶりの投稿になる。
先月は、ブログの記事を書く暇もないほど忙しく動き回っていた。
冬のオーロラツアーシーズンを早い段階で切り上げ、今月から夏の準備に取りかかる。

今季は、前年度からお金を貯めて計画を少しずつ進めていた、ウェールズ島での撮影へ入る。おそらく、僕の見たい生態のシーンを写真で収めるには、3週間は必要になるだろう。

この広大な雨林帯の島は、カナダの東海岸沿いにある南東アラスカといわれる地域にある。瀬戸内海を思わせるインサイドバッセージ(内海の通路)にあり、穏やかな海流がとおる島内は、とてもシンプルな生態で成り立っている。

まず、植物はアラスカ檜がほとんどを占め、古い森には栂(ツガ)の木がまばらに生える。地面はコケに覆われた、太古の時代を思わせる風景だ。数本の川には毎年サケが遡上してくるところがあり、上流の湖に近いところでは、ビーバーが棲息する。夏の間、この島の内陸に行けば、低地を嫌うようにしてシトカオグロジカが丘の上で草を食む。天敵からすぐに逃げられるため、見通しのきく高台が生活の拠点となるのだ。そしてこの天敵というのが、今回の撮影行で必ず見たいアレキサンダー諸島のオオカミである。この比較的小柄なオオカミが、オグロジカに支えられて250頭ほど、この四国の半分くらいの島に生息しているのである。この個体群はタイリクオオカミから分岐した亜種のオオカミ(Canis lupus ligoni)である。


そのほか、この種に固有な生態活動がいくつかあり、それを生で見てみたい。島嶼という限られた地域で完結して、長い時を過ごしてきた動物たちの適応が見てみたい。しかし、「島を泳いで渡る」ということは本当にするのだろうか。まずはオオカミの巣をあたることだ。数冊の研究報告書から、有力な情報は得てあり、滞在する場所と捜索する場所はだいたい決めてある。

ウェールズ島に入るには、許可はいらない。ケチカンという港町から、船か飛行機で入っていく。この飛行機がスーパーカブくらいであれば、チャーターしてピンポイントで入っていくのがいいだろう。往復で$800くらいだろうか。それかフォルディング・バイク(折りたたみ自転車)を船に積み込んで、島の中の町からスタートするか・・・。これなら入島後の行動範囲が広くなる。カヤックを持ち込むことも考えた。いっそのことこれもフォールディング・カヤックを購入してしまい、湖と海岸沿いを中心に行動する方法もある。なにせここのオオカミは、夏の間必ずと言っていいほど淡水源付近に巣をつくり、海から遡上してくるサケを捕まえる。水際から攻めるのも悪くはない。

今回が初めての島の探索になるので、3週間時間があるなら、できれば広い範囲を見て回る方がいいのだろう。7つほどある町もできるだけ訪れて人々の暮らしも見てみると、この島の動物との関係が見えてくる。時間はある。もうすこしこの島の交通網と、6月の状態を調べてから決断しようと思う。

それにしても、3週間ものあいだ森の中へ入っていくのは初めてのことだ。いままでは2週間が最長だった。今回は、ベースキャンプでいかに防水するかが大きなテーマとなる。

2 件のコメント:

ちゅう さんのコメント...

中島氏!

とうとう準備に入りましたか!
あ!私、ogasawara局のちゅうです^^♪

以前、メールにいただいていた「亜種のオオカミ」ってアレキサンダー諸島のオオカミだったんですね。

楽しみですね~。
会えるんですね~。

そして、周りの町の人の暮らしにも触れてみるとのコト。すごく大事なことだと思います。

島の自然に包まれて…きっと素敵な体験が待ってますね^^。

防水対策!ですか。
何かこちらで必要なものがあれば、ぜひ!ご一報を★

陰ながら応援しておりま~す^^。

Takashi Nakashima さんのコメント...

ちゅうさん!
ちゅうさん?あ、そういうことですか(笑)

コメントありがとう!
行きますよ。今年の夏は、一発勝負的な撮影行です。

あのように知ったかぶって記述してますが、じつは非常に難しい撮影になります。かなり下準備を進めているので、僕の目にはどこに何がいるのか、これまでの経験も含め、想像できてはいるのでありますが、初めての地は予期せぬことがいっぱいです。その分楽しいんですけどね。夏以降、音信不通になった場合は、クマにやられたんだと、本気で思っておいてください(笑)

そちらで必要なものは、そうですね、、、ちゅうさんとサイマさんとで、必ずクジラ、行きますから、そちら準備しておいてください。来年か再来年か、僕は来年も再来年も、おそらく南東アラスカには行きますので、途中合流でもありかなーとも思ってます。

またメールください。