2008年11月17日月曜日

Chase the wolf -part 3-

フェアバンクスへ行った時にアラスカ州魚類狩猟局(ADF&G)に行くことができた。運良くオオカミの研究を以前やっていた学者に会うことができた。ロニィーボーティーという生物学者で、今はオオカミ研究を終えて、引き続きそれと関連性のあるムースの生態を研究している。彼の部屋にはこれから使用する新しいムースのラジオカラー(生態調査のために個体につける首輪。無線でキャッチできるようになっている)が3つ床においてあった。オオカミの物と比べるとかなり大きかった。失礼ながら挨拶みたいな話はすぐに済ませて、率直にオオカミを見つけたいんだけれどもどこで一番見つけられるのか。アンカレッジの近くで見つけることは可能か。といった内容を質問した。研究者にとってつまらない質問ではあるけれど、丁寧に答えてくれた。

「デナリに行かないと、写真で撮るのはほぼ不可能だよ」
「オオカミは君が近づくずっと前から君の存在に気づいていて、避けようとするから」

「足で近づくということはやっぱり難しいですよね。」
「そうだね」

「デナリでは冬でも見ることができますか?」
「たぶん。雪をバックに撮るのはいいかもね。」

「一番いいアプローチ方法は何ですか?」
「僕ら研究者がやっているように飛行機で無線を使って追うという確実な方法があるけど・・・。」

「むずかしいですね(笑)」

「最後にすみません。デビッドメッチさんは今でもここへ頻繁に訪れるのですか?」
「頻繁ではないけど、くるよ。いつ来るかは僕にはわからないなあ。いまは僕はオオカミに直接関わってないからね。」

「あなたの研究書類をなにかもらうことはできますか?」
「古いやつだけど、これ。」

「ありがとうございました。」

彼の学会で発表した資料をもらって部屋を出た。なぜ研究対象を変えたのか尋ねたが、ムースの個体数の方が今は重要だと言うことしか聞き取れなかった。もっとたくさん話してたはずだけど。もっと英語に慣れなくては、詳細情報が得られない・・・。

(ちなみに会話の中のデビッドメッチとはミネソタ大学のオオカミ博士のことである。オオカミといえば Mech という印象が僕の中にはある。)

彼がくれた資料を早速読んでみた。カナダの学会用のものは『ムースの個体群動態に伴うオオカミの繁殖率の変化について(1992)』。ワイルドライフジャーナルに寄稿されたものは『オオカミコントロールによる有蹄類の増加について(1996)』オオカミコントロールをうまく訳せないけれど、この魚類狩猟局と連邦政府がオオカミの数が増えすぎないように個体数を管理している。増えすぎた場合は狩猟制限を緩めたり、屠殺したりして調整している。そのことである。有蹄類とは、蹄(ひづめ)のある哺乳類、ムース、カリブー、エルク、などなど。研究対象を変えたとはいえ、彼は食物連鎖の一点を研究しているに変わりはなかった。焦点をオオカミからムースに変えたことで何がわかったのだろう。

とにかくじっくり調べて行きたい。11月の後半になればこれらの調査に時間がかけられそうだ。

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