2008年11月24日月曜日

Eagle River -part 2-


どれだけ頭の中で準備をしていても、こればかりは拭えなかった。
初めて見た野生の熊の足跡に緊張が走る。これは10月4日に出かけた時のもの。足跡は2、3日は経っているだろうか。動物園と違い、柵など無い。冷静に周囲の情報を得ようとしたが、なかなか次の行動に移せない。この写真を撮っている最中も常に聴覚だけは外部に注意を向けていた。この足跡は、森の中を少し抜けた川の中州のようなところで発見した。
野生の熊が人間を襲う事は実は非常に稀なことで、母親とその小熊の間に立ってしまった場合のみ、ほぼ100%襲われる。したがって、小さな熊を見つけた場合がもっとも注意を払わなくてはいけない状況と言える。しかし野生ではない熊であった場合には状況が異なる。半野生の熊のことである。彼らは人間慣れしているため、平気で近寄ってくるそうだ。ひとが襲われた事件のほとんどがこの半野生の熊による。この川の中州は町からさほど離れていないところで、耳を澄ませば自動車の音が聞こえてくるくらいの場所。完全な野生の熊か半野生かなど判断のしようがない。足跡くらいで緊張している場合ではないが、想像と実情はかけ離れていた。

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