2012年10月20日土曜日

組写真を考える


組写真は、いままで僕が試したことがない写真表現の領域だ。似たことを試みたことはあるけれど、表現を意識したものではないし、正しい制作過程を踏んだわけでもなかった。

まず、単写真とは、一枚の写真で完結させた写真のこと。テーマはひとつに絞る必要がありそうだ。たった一枚の写真に複数のテーマを設ければ、伝える力が分散することになる。
組写真とは、2枚以上の写真を使って、複雑なテーマを題材とする。したがって、一連の写真の中の一枚の写真が、何かを意味していないこともあり得るわけだ。あくまで、全体として表現されていれば成功ということ。

このことを考えると、今後の撮影方法も変わるだろうし、ひとつの大きなテーマにも取り組んでいけることが明らかになる。

組写真の制作過程は、ウェブや書物で調べてみると、まず大きなテーマをひとつ設定し、そのテーマの大きさ(幅広さ)に従って写真枚数をある程度絞り、必要なカットに分解して、撮影を進めていくというのが王道のようだ。

本来、撮影後のカットをパズルするのではないが、 まずテーマを決めて、要素を細分化し、その分解された小テーマに沿う写真が、自分のストックの中にあれば、合わせてみても良いだろう。(イメージトレーニングとして)早速ためしをしてみる。

テーマ:Bears in summer

母親にサケの獲り方を教わる

サケを川の浅瀬に追い込む

体ごとサケに向かって飛び込む

うまくサケをとらえる

ぬれた体の水を切る

表面的には、川にいるクマを写真に表すだけ。それを5枚重ねることで、クマにとっての夏は、サケ獲りに忙しく、サケ獲りはクマにとって切り離せない生活の一部だということを伝える。そのことに加え、一生懸命なクマの様子を表現してみた。


< クマたちの夏を掘り下げた結果、得られた表現意図 >
「サケの遡上する川で、サケ獲りに懸命なクマたち」
  ・表現意図:サケ獲りシーンを複数組み合わせて、クマの夏を表現
  ・個々の写真:クマのサケ獲りに関わるシーンをアップで、動きある写真に
  ・写真の構成:水しぶき、クマ、サケを含める

※上記まとめ方は、HP<我が道を行く写真道>を参照


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