2012年10月8日月曜日

ヘラジカ −Alcs alcs gigas−




 アラスカならどこにでもいるヘラジカ。このヘラジカのどこででも見れる姿に興味はない。どこにでもいるくせに、そう簡単に現さない行動を、この目で確かめたかった。それは、ヘラジカがどのような動物なのかを、僕に教えてくれる。



フレーメン行動
秋の繁殖時期になると、オスはメスの臭いによって、自分の行動が決まる。こんな言い方をすると変に聞こえるが、この時期だけに力を集中するオスにとっては、超真剣、大真面目なのだ。

夏まで蓄えたエネルギーを、秋の時期に消費し、冬前に大幅に自分の体重を減らしてしまうオスは、春まで生きるということが最優先なのではない。秋の時期に、子孫を残せるかどうかということが、最優先になる。

※フレーメン行動は、メスの尿の臭いをかいで、メスの状態を探るための行動。とされている。


メスの行動を凝視する


 9月から11月初旬までに、メスは「交尾できますよ」というサインを3回ほど周囲のオスに送る。周囲のオスは、もちろんこのサインを逃さない。力が拮抗するオスが近くにいれば、戦って決着をつける。


彼らは、本能に従って行動してるに過ぎない、と言われたらそれまでだ。生命体とは基本的にそういうものだろう。ではその本能とは?

どの動物においても、植物までもそうであるけれど、地球上すべての生物が、「次の命へつなぐ」ということをする。

このことために、一瞬のこの時期に、立派な角までそのために付けて、全身全霊をかけるヘラジカを、ぼくはより好きになった。

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