2012年12月14日金曜日

ナショジオ・スタンダード

昨今のデジタル創世記において、デジタル画像をどこまでいじって良いか、という議論が続いている。これについて自分で答えを持っている写真家の場合は、その表現の限りを極めてゆけば良いのだと思う。

僕は長らくこのことで判断を先延ばしにしてきた。本当にどこまでが良いかの判断基準を持っていなかったからだと思う。

ここ数ヶ月このことばかり考えていて、色についての研究などもしながら答えを出した。

「最先端の技術を利用できるだけ利用し、自分がその場で見た雰囲気と色に限りなく近づける努力をする」

というのが答えになる。



様々な方向から、自分の今後の写真課題について検討した結果、この答えに一番影響が強かったのは、ナショナル・ジオグラフィックの写真提出基準である。


ナショナル・ジオグラフィック 写真の取扱ルール


フォトディレクターからのメッセージ


私はあなた方が本物の写真を提出することを勧める。既に世界中にごまかしは蔓延っており、われわれは、これらを使用することはありません。私たちは、あなた方の目を通した世界を見たいのであって、Photoshopを通して作られたものではありません。


どうか、あなたの写真をデジタルで誇張したり、改ざんするようなことはしないでください。(従って、現実の色彩バランスとシャープネスを、写真に含める必要があります。)

もし、写真に何かを加えたり、(加工ソフトにより)除外したのであれば、その写真はこちらに送らないでください。われわれは、すべての写真を真実性があるものかどうかチェックします。そしてもし、写真の中に「ダマシの技巧」を見つけた場合は、不適正とみなします。

覆い焼き:これは認めます。しかし、最小限にとどめてください。目的として、デジタル暗室での技術はダイナミックレンジの調整をするためだけと考えてください。これはあなたが見たその色に近づけることであり、より鮮やかにすることが目的ではありません。


ソラリゼーションなどの手法: 認められません。


モノクロ写真 : 認められます。


パノラマ合成 : 認めます。(詳細は下記ホームページ参照)


フィッシュアイレンズの使用 : 認められますが、編集者はこれらのカラクリ小道具のようなものは嫌いますので、ご自身の判断で提出してください。


ハイダイナミックレンジ・イメージ(HDRI):
認められます。しかし、パノラマ写真と同様に、合成される複数枚の写真が、同じ場所、同じ時間で撮影される必要があります。 最終の出来上がった写真が、前景は日中に撮影されたもので、空は夕方に撮影したものといった写真は要りません。提出する写真が、もしHDRの写真である場合は、それを明記してください。



以上がナショジオの Your Shot のページでの写真提出基準である。

別セクションのVisions of Earth では、編集者が毎日膨大な写真を見る中で目にとまったものに、連絡が取れる場合メールを送り、ナショジオ側から規格を伝え第一審査にかける。(この規格は具体的には、72dpi, 1600px, photo(s) embedded EXIF and IPTC など)この審査もおそらくYour Shot で示された基準を最低条件として、審査にかけるのは間違いなさそうである。

もう一歩具体的な情報が欲しいところではあるけれど、この基準は世界の写真においてのトッププロ集団が提起するものである限り、これをひとつの基準として自分の作品にも適応させるというのは妥当だろう。











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