2012年12月18日火曜日

NDI -part 2- 無傷の編集を可能にしたメタデータ


第二回:無傷の編集を可能にしたメタデータ

イメージマネジメントシステム(IMS)構築の前の基本知識として、写真の質を保つためのNDI (Non-Destructive Imaging) という画像編集の概念を理解しておく必要がある。これを理解しておくと、デジタル暗室におけるデータと色の編集をムダなく正確に行うことができ、カラーマネジメントの理解にもつながる。

今回は、無傷で高品質を保った画像の編集は、NDIの意義そのものである。現在は、その過程は欠かせないものとなっている。


イメージマネジメントシステム(IMS)構築の前の基本知識として、写真の質を保つためのNDI (Non-Destructive Imaging) という画像編集の概念を理解しておく必要がある。これを理解しておくと、デジタル暗室におけるデータと色の編集をムダなく正確に行うことができ、カラーマネジメントの理解にもつながる。アドビの研究文献(英語ページ)を参考に、5回に分けて記述する。ラベルの「イメージマネジメント」にまとめて編纂していく。

前回の記事にRAWデータの内容を示した。そのなかのメタデータというものが、現在では画像編集に重要な役割を果たしている。今回はこれについて考える。

3ファイルあるうちの真中がメタデータのファイル
RAWデータには必ず埋め込まれている重要な情報だ

まず、メタデータとは、オリジナル画像データに付け加えられて記録される情報のことで、XMPというファイルで表される。RAWでの撮影時には、露出補正値、シャッタースピード等の撮影情報、使用機材、時刻などが埋め込まれる。

そして、このデジタルRAW画像を、現像する過程において、編集ソフトによる画像編集を施すと、どのように画像を編集したのかという情報が、メタデータに追加で埋め込まれる。これは可逆的なので、常に新しい情報がメタデータには記録されているということになる。

メタデータが何者か、ある程度把握できたところで、画像編集に関わる重要な役割を説明する。
画像A → フォトショップで編集 → Save As で別のファイルとして保存

NDIの項目でも添付した図であるが、上図は画像を傷つけないように編集をするという概念が登場したときの常套手段として用いられてきた。要するに、元のデータをコピーして、そのコピーしたものを扱う限り、元のデータは一切傷がつかないというもの。画像一枚のデータ容量が非常に大きくなった現在、これで進めていくと、データの容量は膨大になり、多くの調整バリエーションが作れない。そこで登場したのが、メタデータが埋め込まれたRAWデータである。

メタデータ(XMP)を画像翻訳エンジン(レンダリングエンジン)を介して、イメージを表示する。
上図は、RAW画像を、メタデータを用いて仮表示する仕組みを表した図である。画像の編集プロセスを示した図ではないので注意。

レンダリングエンジンという革命的な発明により、メタデータを使って画面上に画像を表示できるようになった。これにより、オリジナルの画像データ (上図:Source Image)に何も施すことなく、表示された仮の画像(上図:Rendered Image)をつかって編集していくことが可能になり、オリジナルを無傷で編集・現像できるプロセスが出来上がった


メタデータの役割がわかったところで、次項に革命的なレンダリングエンジンについて説明していく。






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